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【理系の書評】『生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学』読了 ★4つ(5点満点)

『生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学』読了 ★4つ(5点満点)

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学

個人的に流行の理系本:古生物学、生物進化学編

最近、古生物学、生物進化学、地質学などを読みまくって、たどり着いたのが、この本。まず、この企画を考えた著者2人とと編集者を賞賛したい。
アマゾンの評価も高いのだが、「一般書のレベルを遙かに超えて、大学教科書レベル」という、この超ニッチな本をよく成立させてくれました^^ (多分著者の趣味だろう)。

 

あり得ない企画内容の生物全史

この分野の重鎮2人が現在進行形の最新研究を盛り込んだ「生物の新しい歴史全史」

内容は生物の誕生と進化の40億年史をまとめたものだが、この本の本のすごいところは2つ。
まず、著者が「ピーター・ウォード」「ジョセフ・カーシェビング」という古生物学、生物学の超重鎮の2人。出てくる参考の説が友人の地質学者に直接聞いたとかばかり、なのはこの2人しかできない。


もう1つ最大のチャレンジは、書評で多数の指摘があるように、原題は「NEW HISTORY OF LIFE」。つまり、新しい生命史なのだ。
網羅している内容は、地球誕生から現在、そして、未来予測まである、サイエンス書にありがちな「全史」。

科学の全史モノなのに、全編新説入れまくり(笑)

この本のすごいのは、原書の発売が2015年なのだが、「New History」の名の通り、21世紀、つまりここ10年、20年ぐらいの新発見・新説を評価が、まだ固まってないことまで含めてバシバシ使っているところ。
「全史」なのに、全編にわたって新説をここまで入れた本はみたことない。

 

書評で「この本を読めばあとは10年間は、この分野で新しい本を読まなくてよい」というコメントがあったが、この人がどこまで意識して書いたかかわからないが、これは、勘違いしやすいコメントだ。
一般に「10年」というと長いと感じるが、なんたって「40億年の全史」ですから。

10年後に新版を読んでみたい本

技術とは違い、100年単位で発展してきた科学の世界で10年でまた、生命の見方が変わるかもしれないというのはすごいことだ。
実際に、進化学、古生物学では、この10年ぐらいに新しい発見がたくさんされているらしく、今後も発見されるだろう。

(この短期間に発展する科学分野は非常に珍しいが、CTや遺伝学などの他の科学分野の発展が研究の加速を後押ししているらしい。

CTで恐竜の卵をみたりとか)


10年後に、新版を見たい本。

 

 

 

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学